光明山城
兵庫県相生市陸光明山

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新幹線相生駅から直線にして3km、ひたすら北へ歩くと標高261mの光明山。 その西尾根には光明山城(こうみょうせん)があります。

2005年3月、光は春が来たことを教えてくれる。 相生には赤松氏のお城が沢山、ここも大きなお城、でも何故がんばるのか教えてほしいよ。

 
光明山城
  目がチカチカするかな、ごめんね。 撮った写真を上下逆にしているよ。

何故、こうまでして立っているのか。 その意味が分かるような気がしたよ。
 

 


元正天皇(715-23)、乙春朝臣が初めて城を築いたと伝わっています。

建武三年(1336)、赤松円心が築城してから後の城主については諸説がありそうです。

その1.南北朝時代には大嶋城主・海老名弾正景知が居ました。 足利尊氏が九州へ逃れた時、討伐軍の新田義貞が播磨に攻め込み、円心の白旗城を包囲した時に海老名景知は弟・詮季と泰和など一族を率いて白旗城に籠もった人物です。


その2.応安年間(1368-75)、円心の孫・義則が在城し、永徳年間(1381-84)には白旗城に移っています。 義則の頃が赤松氏の全盛期、室町幕府の三管四職の四職(一色・赤松・京極・山名)という要職に付いています。


その3.室町時代には、那波浦城主・宇野重氏が入り、応仁の乱後に宇野政秀が居ました。 政秀は光明山の東にある平井城(龍野市揖西町小神)の赤松村秀を助けて、初代・鶏籠山城主(龍野古城)としました。

この村秀は政則と側室との間に生まれ、置塩城を出されて政秀に預けられ、鶏籠山城主になってから子に政秀の名を付けたので、よく混同する人物です。


その4.赤松政秀が塩屋城(揖保郡御津町)に移ると、揖東・揖西の両郡代である内海弥四郎が入りました。

その5.赤松氏の家臣・松原掃部頭が城主となりました。 松原氏は神戸市北区の蒲公英城を思い出すけど関係はあるのかな、それとも姫路市白浜の松原構居と関係あるのかな。

その6.その後、肥塚肥後介が城主になったとも云われています。 肥塚氏は鎌倉時代に播磨へ下向した東国武士、のち赤松氏の被官になった梶山城主(揖保郡揖保川町)だよね。

『参考文献を参照』

 

  
城跡の碑
  鮎帰川、新幹線相生駅に車を置いて歩きます。

駅の中にある観光案内に「感状山城」と「光明山城」が載っていたのはびっくり。

姫路駅から姫路城みたいな絵だけど、タクシーで行きたいような遠さだよ。

右下に逆さになっているのが「光明山城跡の碑」、根性でぶらさがっているよ。
 
登山道
 

「登山道」

道をひたすら歩く、光明山までは1時間半ぐらいかな。

軽トラなら行けそう、でも途中で道が崩れてるとこもあるよ。

頭の中には何も浮かばない、途中イノシシが横切ったような気がするけど何も浮かばない。

 

  
石積み
  途中の川を隔てた所、竹林の中にある。

屋敷跡なのか、土止めなのかな。 分からないけど嬉しい。
   
光明山
 

「光明山」

やっと着いた、光明山の三角点。

道から入って30mぐらい登るかな、登り道には石垣と思われる跡があったよ。

山頂には小さな平削跡が二つ、たぶん見張り用なんだね。

 

  
竹林
  「竹林」

山頂から降りて、また少し歩くと竹林がある。 この上なんだよ、下側の竹がいっぱいある所も郭みたいだ。

一番、西の端と思われる所から登ってみるね。
   
石積み
  お城は東西200mの尾根上に築かれた、すごく大きな城跡だよ。

西から登ると七段の平削地、その周囲は一段下がって腰郭が全体を囲んでいる。

 

  
石積み
  全体の南斜面には所々に石積みが見られる。 落ちてきそうな感じだよ。

木々が阻むので、上がったり下がったりしながら横に進みます。

まっすぐに歩けないので、実際には何個の郭があったのかは難しい。
  
郭
  「郭」

ほぼ尾根の中央だと思う、はっきりとした郭跡になる。

石はあちらこちらに沢山転がっているよ。

相生市には比高200m以上の山城は2つ、感状山城と光明山城。
 

  
空堀
  「主郭」

主郭と思った所、大きな木が倒れていた、根が掘りおこされて、その中には大きな岩盤があったよ。

どこかに五輪塔があるはず、どこだったのかな。
  
主郭
  主郭から東にも3つの郭、そして空堀が2列。 これ以上は東へ行けないよ。

このまま東に行くと大きな谷があって、そして光明山頂へとつながっている。

それにしても大きなお城だよ、郭が20、横堀6、堀切り4、竪堀5、空壕2、畝形の土塁5、そして周囲の腰郭だよ。
 

  
北の山
  「北の山」

見えたのはわずかな隙間、北側の山だね。 感状山城の方角、大きさに比べて少し感状山城に遠慮しているような風景だよ。

下りは1時間、相生の駅まで帰ってきた。 もう一度見た、逆さでがんばる城跡の碑。

「小さな川の上流に、大きな城跡があるんだ」、そう言いながら、がんばっているんだよ。
 

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