医王山城
岡山県津山市吉見

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  中国自動車道、「津山IC]で降りてから、国道53号線を北へ走ります。 「野村交差点」を「津山智頭八東線(6号線)」方向へ曲がり、4kmほどで「JR美作滝尾駅」方向の集落へと入ります。

加茂川にかかる吉見橋を越え、岩尾寺を目指して細い道をゆっくりと進むと、お寺の背後には標高340m(比高190m)の山頂に医王山城(いおうやま)があります。

10月の中旬、美作の紅葉はまだ早いけど、もう一度必ず行くよ、そんな理由を与えてくれたのです。 

 
  祝山城や岩尾山城ともいいます。

ここは平らなところの周りに石垣があり、とても珍しいのだそうです。
 

 
南北朝時代、ここ美作は山名氏と赤松氏の抗争の地となり、美作守護・山名教清は鶴山城(津山城)に山名忠政を置き、ここ医王山城は山名忠重に守らせていたのですが、忠重は赤松方の佐用貞久に撲滅されました。

天文元年(1532)には、出雲の尼子経久が三好安芸守を将として美作にも侵攻、この医王山城も攻め取られて三好氏の拠点になりました。

その後、医王山城には備前の天神山主・浦上宗景の兵が在城していました。

天文13年(1544)、尼子晴久は精鋭軍団・新宮党の尼子国久を大将とし、宇山久信を美作へと侵攻させ、勝山の高田城を攻撃、尼子国久は岩屋城と小田草城を攻め落とし、この医王山城も落したのです。

しかし永禄9年(1566)、尼子氏の出雲の富田城が毛利氏によって落城し、ここに尼子氏は滅びていくのです。

天正の頃(1567-92)、美作は毛利氏と宇喜多氏が対抗し、医王山城は毛利氏に属して、枡形城主・福田盛雅が預かりその上、毛利輝元は在番衆として湯原春綱をも送り込んでいます。

天正8年(1580)、宇喜多氏は医王山城を攻撃したのですが、湯原春綱は籠城、これを死守し、宇喜多勢は撤退するのです。

天正10年(1582)、毛利氏と羽柴秀吉は和議を結び、のち美作は宇喜多氏が領有することになりました。

『参考文献を参照』

 

  
登山口の竹道
  岩尾寺の裏手から登るとすぐ竹道、そして杉の道になります。
秋の天気は快適、竹が道に散乱していたので片付けながらの登山です。

ほんと、汗が出ないよ。 あの夏の汗はなんだったのだろう。
 
途中の観音堂
  「途中の観音堂」

麓の岩尾寺の奥の院として多くの人に信仰されています。

天文十三年に尼子新宮党が岩尾城を守っていた浦上氏の兵を撲滅させた時、この観音堂も焼かれたそうです。

尼子勝久と山中鹿之介が尼子氏再興を願って高田城を奪回した頃、この観音堂も再興されました。

ここで休憩、気持ちも秋の青空と同じく余裕です。 
 

  
加茂川の音
  「加茂川の音」

加茂川は吉井川の支流で、南に下れば備前の浦上氏の天神山城があります。

川の水の音が滝の様に山合いに響いています。  「ザー」文字で表現すると変ですね。

最近、滝の本を買いました。 写真を眺めているだけで音が聞こえそうです。 写真で表現できるような、城跡を写したいけど、難しいよね。
 
野バラの道
  「野バラの道」

観音堂からは、いきなり一面野バラです。 漆(うるし)みたいな木もあります。

でも、ひざぐらいの高さだから大丈夫。 バラにひっかかりながらも向こうの端まで余裕でクリア。

杉花粉や漆には負けないみたいで、ほんとありがたく思っています。 でも、高いとこ、狭いとこ、尖った物、入り口で待ってる店は無理だからね。
 

  
堀切もある
  当然飛行機も無理で、札幌から帰る時、飛行機のチケットを解約して夜行電車で帰って来ました。

駅弁とビールを買い、青函トンネルで水平線に沈む夕日を見ながら、気分良く個室に流れる演歌を聞いているとコックさんが現れたよ。 フランス料理のメニューを持って。

そんな電車に乗った話を友達にした時、それが「トワイライト エクスプレス」という名らしい。

雪の青森駅、遠く民家の灯りが二つ三つ。 よかったなあ。
 
本丸
  話を戻して、やっと本丸に着きました。

秋とはいえまだ草がいっぱい。 危ない箇所はロープを張ってくれているので大丈夫。
 

  
高い山
  周囲は高い山、まだ聞こえるよ川の音。 あの後ろの高い山は、「ひょっとして矢櫃城(やびつ)」。

ここより2倍ぐらいはあるよ。 なんでまたあんな高いとこに城を建てたの。 本人に聞いてみたいよね。
 
岩尾寺
 

「岩尾寺」

きれいなお寺です。 丁度、この正面の竹林の所が登山口です。

 

  
ここは「美作滝尾駅」なのに・・
 

この後、「男はつらいよロケ地」の美作滝尾駅。 駅の風情は最高。

勝田郡の「大別当城」と「蛇淵滝」「山の駅」もすばらしいかった。

そして、カメラのメモリがどこかに行ってしまった。

涙が出そうな秋を見た。 もう一度行くよ・・。


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