環濠集落の起源については、条里制にもとづく説と、それに低湿地の集落立地に地盛りを必要としたところから起こったとする説があります。
さらに、環濠が存続した背景には干害に際して、濠水が灌漑用水に利用できたことや、水害に際して濠が排水のクッション的役割を果たしたことが指摘されています。
環濠集落は近世初頭に起源のあるものを含めて、大和全体では187が数えられますが、田原本町域ではこの松本の環濠集落を含めて30箇所と16%を占めています。
平野小学校区では佐味、大網、金剛寺、松本、西竹田、十六面、薬王寺、保津、三笠、満田が環濠集落です。
松本の場合、鎌倉時代の石仏が祀られている松本寺と、三ノ宮神社が環濠の外に張り出した形態になっています。
石仏は曽我川を流れて来たといい、神社は水害で流れて来たとの言い伝えがあり、水にかかわる話は多くあります。
かつては集落の入り口に木戸や引き橋があり、濠の内側に沿って竹藪がめぐらされていました。
『現地案内を参照』
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