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謡曲「須磨源氏」は、日向国宮崎の社宮・藤原興範が伊勢參宮の途中、須磨の浦に立ち寄ると、老樵夫(しょうふ:きこり)が桜の木陰から現れました。
光源氏の一代の略歴を物語り、自分はその化身であることをほのめかしました。
その夜、旅枕の興範の前に菩薩となっている光源氏が兜卒天(とそつてん:仏教の世界観における天界の一つ)より、気高く優麗な姿で天下り、在りし日の須磨のくらしを回想しつつ、青海波の舞を舞って、夜明けと共に消え失せるという典雅な曲です。 |
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須磨は古来、観月の名所として名高く平安時代の王朝ロマンの主人公・光源氏が、複雑なしがらみの中で、傷ついた心をなぐさめるのに格好の地だと、千年の昔に生きた紫式部も知っていたのでしょう。
境内の老松に月のかかった秋の夜など、源氏の君が藩架(ませがき)をめぐらせて侘び住いしていたのです。
『現地案内を参照』 |
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